utsu-cafe’s diary

うつと暮らす日々

追憶

今から十年ほど前のことだが、とある摂食障害の女性のブログを読んでいた。

書き始めは単に摂食障害でありながら大学を卒業していく過程が綴られていただけで、時々の精神的な不調を除いて「普通」のブログだった。

 

しかし、彼女には大きな問題があった。

ひとつ、かつての恋人とのいざこざ。

ひとつ、人格破綻者の家族。

ひとつ、危うい大学卒業と無職生活。

こうした細々した要素が幾つも絡まりあって、彼女をアダルトチルドレン摂食障害うつ病で……有り体に言ってメンヘラにしてしまったのだ。

 

大学をなんとか卒業したところまでは、まだ良かった。

しかし、家族とのいさかいが増え、唐突に自傷行為(アームカット)をしてしまい、そこからは坂を転げ落ちるように、ひたすらに処方薬やアルコール、自傷などに依存していってしまう。

錯乱して、精神病院にも入院したり、しかし一方で冷静に自分を俯瞰して絶望するのが、傍目でもよく分かった。

ブログの更新も途絶えがちになっていく。

水商売を始め、そこもクビになり、男のところで鬱々とした生活を送っていることが最後に断片的に書かれて終わっている。

 

彼女がどうなったのか、僕には分からない。

うまく立ち直れたのか、未だに精神の淀みにはまっているのか、それとも既にこの世から逃げられたのか。

彼女にとって生きていることは重要だったのだろうか。

過激な自傷行為を重ねてはいたけど、しかし死を望んでいる描写はさほど多くなかった。

ただ、終わりの見えない破滅的生活に疲労しきっているのも見てとれた。

 

今、僕は当時の彼女の年齢を越えている。

あの頃は僕は、まだ精神病ではなく、彼女の心情を理解できていなかった。

今でも分からないことはあるけど、多少は分かることも増えた。

願わくは、彼女のような人がどうにか生きていられるくらいに世界が回ってくれればよい、と思う。